電話中に個人情報を扱うときの注意
電話での個人情報の事故は、周囲への漏れ聞こえ・残ったメモ・私的な送信経路から起きます。通話前の環境確認3点、復唱を最小限に絞る型、書類や番号の受け取り経路の分離、通話後の点検と事故時の立て直しを順に解説します。
電話中に個人情報を扱うときの注意
電話での個人情報の事故は、聞き間違いそのものより、「周囲への漏れ聞こえ」「手元に残ったメモ」「通話後の送信経路」から起きます。注意すべき範囲は通話の最中だけではなく、話す前の環境づくりから、切った後の後始末までの一連の流れです。ここでは通話前・通話中・通話後の順に、職場の運用として決めておきたい注意点を説明します。なお、この記事が扱うのは日常運用の工夫で、法令上の義務の解釈は自社の規程と所管の公式情報で確認してください。
前提として決めておく線引き
手順の前に、電話という経路で扱ってよい情報の範囲を職場で決めます。たとえば「氏名・連絡先・予約内容の確認は電話で行う。決済に関わる番号は電話では聞き取らず、所定の手続きへ案内する」という分け方です。線引きが文書で共有されていれば、通話中に個人の判断で迷う場面がそもそも発生しません。これから示す手順は、この線引きがあることを前提にしています。
通話前に環境を3点確認する
- 場所: 周囲に第三者がいない場所へ移ります。店頭や共有オフィスですぐ動けない場合は、折り返しを提案して静かな場所を確保してからかけ直す選択肢を持ちます
- 音: スピーカー通話をやめ、受話器かイヤホンにします。自分の復唱は相手にではなく周囲に聞こえる情報だと意識します
- 画面と手元: 顧客情報を映した画面が背後から見えないか、書きかけのメモが席に放置されないかを見ます。在宅勤務では同居する家族も「周囲」に含めて考えます
通話中の復唱は照合に必要な最小限へ
個人情報の確認は、こちらから読み上げるのではなく、相手に名乗ってもらい照合結果だけを返すのが基本形です。
- 本人確認では「お名前をフルネームでお願いします」と相手に言ってもらいます。こちらから先に「◯◯様ですね」と口にすると、相手が本人でなかった場合にその一言自体が漏えいになります
- 復唱が必要なときも全桁・全文をなぞらず、「末尾4桁だけ確認します」のように範囲を宣言してから一部で照合します
- 通話の途中で周囲に人が来たら、「確認いたしますので少々お待ちください」と保留にし、場所を変えてから再開します
書類や番号は経路を分けて受け取る
通話中に聞き切れない情報や書類が必要になったら、口頭で粘らず所定の受け取り経路へ案内します。個人のチャットアカウントや私用のメールで送ってもらうと、その時点で情報が管理外の場所に複製されます。案内できる正規の経路(専用フォームや公式の窓口アドレスなど)を一覧にして手元に置いておくと、通話中に迷いません。画像を受け取る場面での伝え方はサポート窓口で画像共有を案内する方法が参考になります。
できているかを確かめる3つの点検
新しい運用を始めたら、1週間ほど次の3点で振り返ります。
- 通話後の机に、個人情報を含むメモや付箋が残っていないか
- 記録が所定のシステム・帳票の外(個人のメモアプリや私用端末)に残っていないか
- 隣席の同僚に、自分の通話から顧客の氏名や番号が聞き取れたかを一度尋ねてみる
3点とも問題がなければ運用は回っています。引っかかりが出たら、手順全体を増やすのではなく、引っかかった1点だけを直します。
起きやすい事故と立て直し方
折り返しメモの付箋を貼ったままにする。 氏名と電話番号を書いた付箋が夕方まで机に残り、来客の目に入る。見つけた時点で所定の記録先へ転記して破棄し、以後は「折り返しメモは対応後すぐ処分する」を手順の末尾に加えます。
急いでいてスピーカーのまま復唱する。 混み合った窓口で番号が周囲に聞こえる。気づいたら即座に受話器へ切り替え、以後は通話開始前にイヤホンを着ける動作を手順の先頭に置きます。
「今回だけ」と私用チャットで受け取る。 正規経路の案内を面倒がって例外を作ると、削除を頼んでも相手側の履歴には残り続けます。正規の経路での再送を依頼したうえで、例外が生まれた原因(経路一覧が手元になかった等)を塞ぎます。
まとめ: 線引きを1行書くところから
最初の一手は、「電話で扱ってよい情報と扱わない情報」の線引きを1行で書き、チームで共有することです。環境・復唱・経路の手順は、この線引きが決まって初めて具体化できます。通話後に決定事項を文章で残す型は通話後の認識違いを防ぐ確認文と組み合わせると運用しやすくなります。
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参考情報
- CallMemo 公式サイトCallMemo / 確認日 2026-07-17
- コールセンター業務における個人データの取扱いに関する注意喚起個人情報保護委員会 / 確認日 2026-07-28
- 個人情報保護法ガイドライン(通則編)個人情報保護委員会 / 確認日 2026-07-28
