SaaS比較表に入れるべき評価項目
SaaS比較表を「足切り・差を見る・参考」の3種類の行と「候補3つまで+現状」の列で組む設計手順を解説。事実と判定を分けて書く評価欄の作り方、コピーして使える表テンプレート、合計点評価の落とし穴も示します。
SaaS比較表に入れるべき評価項目
比較表が意思決定に使えなくなる原因は、項目の不足ではなく「どの候補にも◯が付く項目」で行が埋まることです。行に入れるべきは、候補を落とす理由になり得る項目が先で、優劣を眺めるだけの項目は後ろへ回します。この記事では、列・行・評価欄を決める順番と、そのままコピーして使える表テンプレートを示します。
行より先に列を固定する
比較日: 2026-07-17
列は「候補ツール(3つまで)+現状のやり方」にします。候補を4つ以上並べると調査が終わらなくなり、現状の列がないと「導入しない」という選択肢が最初から消えます。移行の負担は現状列との差分として現れるため、その見積もり方はツールの乗り換えコストを見積もる方法を参照してください。
行は3種類に分けて並べる
評価項目は上から「足切り」「差を見る」「参考」の順に置きます。
- 足切り項目: 満たさなければその場で候補から外す条件。データを外部へ書き出せるか、業務利用が規約上認められるか、社内のセキュリティ要件に合うか、といった項目です。書き出しの可否を先頭に置く理由はデータのエクスポート可否を確認する理由で説明しています。
- 差を見る項目: どの候補も一応満たすが、程度が違う条件。1件を処理する操作の手数、既存ツールとの連携、権限や共有範囲の設定の細かさ、困ったときの問い合わせ先など。チーム利用なら権限・共有の粒度が効きます。
- 参考項目: 決め手にはしないが記録しておく情報。機能更新の頻度、提供元の情報発信、将来の拡張余地などです。
評価は「事実」と「判定」を別の欄に書く
セルへ◯△×だけを書くと、後から「なぜ△だったのか」を誰も再現できません。セルには確認した事実を短く書き、判定は別の列に分けます。たとえば「設定画面から一括で書き出し可(7/10確認)」のように、事実と確認日をセットにします。事実を書けない項目は「未確認」と明示し、空欄と区別します。未確認のまま候補を並べると、調査が浅い候補ほど弱点が見えず有利になる逆転が起きます。
コピーして使う表テンプレート
以下を貼り付けて、項目を自分の用途に差し替えてください。
| 評価項目 | 種別 | 候補A | 候補B | 現状のやり方 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| データを外部へ書き出せるか | 足切り | (確認した事実と確認日) | |||
| 業務利用が規約で認められるか | 足切り | ||||
| 1件を処理する操作の手数 | 差 | ||||
| 権限・共有範囲の設定 | 差 | ||||
| 問い合わせ窓口の有無と形式 | 差 | ||||
| 機能更新の頻度 | 参考 |
書き換えの注意は2つです。足切り項目は3〜5個に絞り、1つでも×が付いた候補は以降の調査を打ち切ること。「差を見る」項目に点数を付ける場合も、足切りと合算しないことです。
表が要る場面、足切りだけでよい場面
候補が複数あり、決定に関わる人も複数いるなら、表は判断を共有する装置として機能します。候補が実質1つ、または自分一人で決められる規模なら、表を組む手間のほうが高くつくため、足切り項目のチェックだけで足ります。表づくり自体が目的化していないかは、途中で一度立ち止まって確かめる価値があります。
合計点で決めると起きること
全項目を同じ重みで点数化する。 必須条件が×の候補でも、参考項目の加点で最高得点になり得ます。表の見た目は公平でも、結論は要件と食い違います。足切りを通過した候補だけを点数化の対象にします。
項目を増やしすぎる。 20行を超えた表は、全候補「調査中」のまま止まりがちです。先に足切りの行だけを埋めて候補を減らし、残った候補にだけ「差を見る」行を調査します。
表を作り始める前に
最初に書くのは表ではなく、「これが満たされなければ導入しない」という条件を3つ挙げることです。それが足切り行になり、候補と現状の列を足せば骨組みは完成します。項目の網羅ではなく、落とす理由から埋めてください。
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参考情報
- 9uick 公式サイト株式会社レトロック / 確認日 2026-07-17
